今日も乗り合わせ出勤だが、ガソリンも不足しているというのに毎朝迎えにきて貰うというのも何とも気が引けるものだ。
それに、父が怪我をしたせいで家の方の仕事を一人でやらなければならない母が気がかりでもある。妹が春休みで家に居るので、大丈夫だとは思うが……
相変わらず連絡の取り合いや納期の調整などであっという間に時間は過ぎていった。
未だに連絡の取れない取引先もある。無事で居てくれれば良いのだけれど。
明日は、製造の機械を止めて一部職員以外は休みにするという。
その後のことは連休明けに予定を立てるのだそうだ。
今日、勤務中に近くのガソリンスタンドが開くという情報が入り、手の空いている者で燃料残の少ない職員の車のガソリンを入れに走るなどということがあった。が、行ってみると長蛇の列で、何時間か待って2000円までしか入れられなかったのだという。
軽油のスタンドも開いたので配送の者達も入れに走ったそうだが、1台10lまでしか入れて貰えなかったそうだ。とてもではないが、足りもしない。
それでも入れられただけましなのだろうけれど。
スタンドが開いた時点で、燃料を確保できるようになる、営業継続できる、などという楽観的な意見を言う者も居たが、しばらくはこんな状態が続くのだろう。
また、こんな話もあった。
福島県、というだけで出荷規制が掛かるのだそうだ。
要するに、材料等を仕入れたくても仕入れが出来ない。こちらへ来ることを拒否するドライバーも居るそうだ。
それだけ、目に見えない放射性物質というものが恐ろしいのだろう。
それも当然だとは思う。なにせ未曾有の災害なのだ。
あらゆるものが未知数で、恐ろしい。
こうなったら本当に独立国家フクシマを建国するしかないか……
その暁には、まず手始めにあの顔のホクロを引きちぎってやる。誰のとは言わないが。
……まあ、冗談はさておき。
わたしも明日は休めることになった。買い物や片付けなどを進めなければ。
帰りがけ、本社からの支援物資を貰った。
今日は水と納豆だった。