「顔を洗おうとして痛いと思ったらめがねをかけたままだった」
「温泉に行ってシャワーを浴びて、なんか視界に水滴が映ると思ったらめがねをかけたままだった」
以上、被災後にすら発揮された非常に和む友人のエピソード。
わたしは彼女が稀代の天然だと信じて疑わない。
今日は退社する頃から雪が降った。少し湿気の高い、雨交じりの雪だ。
傘を持ち忘たので、少しだけ浴びてしまった。けれど、わたしの毛根は不滅だと信じている。きっと大丈夫……うん、きっと。
相変わらず明るくない話題ばかりが続く。
農作物の出荷関連状況。
今の時期、実家では苺の出荷がメインだが、もはや1パック平均300~400円の売値だったものが、170円程度まで落ちているそうだ。そしてそれだけ、集荷時の引取値も落ちているということ。
きゅうりなども出始めたが、この時期だと10kg3000円程度が引取値の相場らしいが、現在なんと500円……
まさかのワンコイン。
ハウス栽培の農作物ですらこの有様だ。
明らかに、収穫までに掛けた費用や労力に見合っていない。それでも引き取って貰えるだけましなので出荷はするのだというが。
それも、明日までは集荷に来てくれるが、その後の見通しとしてどうなるか判らないのだそうだ。
水源が決壊した影響で、今年は田んぼもまともに作れない。
食べていけるのかどうかすら危うい状況。
出荷自粛措置などで被害を受けた農家の支援を徹底したいという発表があったようだが、本当に、全ての苦しむ農家へ手を差し伸べてくれるのだろうか。
国が指定した物以外でも苦しんでいる人は沢山いる。その人たちの声は聞こえているのだろうか。その人たちに差し伸べられる手はあるのだろうか。
この先も永く根差したこの故郷で、ささやかな実りを喜びながら暮らしていくことが出来るのだろうか。
風評の被害の広がりようは、それがそのまま、受けた者たちの苦しみの大きさを現していると言っても過言では無いように思える。
死者も1万人を超えたが、全容は明らかにならない。きっとまだまだ増えるのだろう。
特に津波被害のあった土地は、侵食する水の所為で捜索も進んでいないとのこと。福島県沿岸も、避難指示の影響で捜索すら出来ていない。きっと沢山の亡骸が、今も見つけてくれるのを静かに待っている。
そういう人たちにも、早く安らかな寝所が与えられることを願うばかりだ。
こればかりは、現地で事態収拾の為に奔走している人達の成果を待つしかない。
本当に、何度も思うが……願うだけで何も出来ないのが悔しい。
明日は土曜だが仕事。こんな時によくやると思うが、復旧してきた取引先もあるので、行きたくないとも言っていられない。
それが自分のやるべきことなのかどうかは判らないが、今はやれることをやるしかないのだろう。
本日までの、わたしの地元の水道復旧率は85%。
わたしの家は未だ断水状態だが、同じ地元の友人の家では水道が出るようになったとのことだ。但し、地元全域の水道管内の漏水が酷いため、水の威力は弱いようだが。
日中のある程度の水量を確保するため、復旧が進んでいるとはいえ地元全域、夜9時から早朝までは断水が行われている。計画停電ならぬ計画断水だ。
そんな感じで上水道はぼちぼち進んでいるようだが、下水の方は未だ芳しくない模様。
とりあえず上水道。頑張れ、水道修理の人っ!!
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