日曜、開店したというホームセンターへ足を運んでみた。
目的は猫のごはん。先日足を運んだホームセンター兼スーパーでは若干値上がっていたのだが、こちらでは震災前の値段で購入することができた。
店内はあちらこちらの天井や壁が崩落している。
高く積み上げ展示してあった家具類の中には、展示されなくなっていたものもあった。地震で破損してしまったのかな……などと予想する。
今日から開店したというスーパーに母が行ってきてみたそうだが、物価が高いのだという。
確かに、何度か訪れている別のスーパーでも安くはない印象を受けた。
収入を得ることが困難になってきているというのに、物価をつり上げられたのでは悪循環だ。とはいえ、店側の事情もあるのだろうしあまり強くは言えないが。
収入といえば。震災の影響による失業や雇用延期が目立ってきているが、かくいうわたしが在籍している会社も、新卒で採用予定だった十数名の入社をひとまず1ヶ月、延期している。
けれど、わたしの担当している取引先からの注文数も明らかに減っているし、全体的にそう。4月半ばに採用したところで、やっていけるのかどうか……
そう思うと、自分の在り方について考えてしまう。
と、これはただの愚痴になるので割愛するが。
今日、野地栽培野菜等の出荷規制問題で自殺した福島県の農家のニュースが報道された。各所で公表されているので、知っている方も多いと思う。
直接話したことなどは無いが、とても近い場所に住んでいる方だった。
その方はキャベツ農家で、様々な土壌や品質の改良を重ね、誇りと拘りを持って取り組んでいる方だった。
明るくない話題、不安、恐怖などが続く中でも何とか頑張っていた最中での出荷規制。今まで自分がやってきたことの全てが失われたと感じても不思議では無いように思う。
だからと言って自殺、と思う者もいるだろうけれど、そのくらい、実際の現地の農家達は深く悲しみ、嘆き、苦悩しているのだ。
安全性を鑑みて出荷に制限を掛けるのも方策だが、制限を掛けられる側の保障・心中のケアを早く何とか打ち出さないと、また同じ犠牲者が出ないとも限らない。
首相の視察で対応が遅れた云々言っていじっている場合ではないと思う。
そんなどうでも良いやり取りをしている間に、どんどん心境はマイナス方面へ傾いていっているのだ。
具体的にどう保障するのか、容易なことではないのは重々承知の上だが、早く方策が打ち出されないものだろうか。
一通の手紙が、わたし宛に届いた。
近くに住む親戚の方から。
その方の家は住めるような状態ではなく、ひとりの夜がとても怖くて、別の親族の家で寝泊りしている。そんな状況のため、近く、埼玉にいる親族の家に引っ越すことになった。
だから、猫の面倒を見てくれないかと。
そんな内容だった。
親族の家に、猫までは連れて行けないのだろう。
猫がひとり増えたところで今更なので引き受けることにした。
……とはいえ、わたしも、いつまでこの場所で生活していけるのだろうか。
ここ数日、どこぞから派遣された被災を受けた家の安全性査定の調査員が、地元の家々の建物の強度調査を行っていた。強い余震が来た際に家に避難していても大丈夫かどうか、住民への警告と指針とするためだ。
わたしの家に調査員は来なかった。
この地区は家と家との距離がある程度あるため、例え崩れても周囲に被害が出ないからだそうだ。
思わず乾いた笑いが出た。
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