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本家サイト「Queen of the Night」の更新情報や日々の戯言・ゲームプレイ記などを連ねる闇鍋的な場所です。
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2024/11/23 (Sat)

 久し振りに過ごす自分の部屋で、泥のように眠ったらしい。
 意識を失うように眠って、気付いたら朝を迎えていた。
 早朝は苺の収穫を手伝った。

 朝食後、父の姉夫婦の元へ行った祖母から電話が掛かってきた。
 こちらへ帰って来たいのだという。
 しかし、こちらはまだ断水が続き、先日補給して貰ったとはいえ灯油も無い。寒さが我慢できず一日中ファンヒーターを使い、毎日風呂に入らないと気が収まらない祖母には辛い環境だ。
 その点、父の姉夫婦の家はオール電化で水道も復旧したため風呂にも入れる。
 姉夫婦は大丈夫だと言うことなので、申し訳ないが祖母には水道が復旧するまで諦めてもらった。
 早く元の生活に戻りたいのだろう。それはわたしも一緒だが、まだまだ難しい。

 午前中は、母と共に食糧調達へ向かった。
 まずはホームセンター兼スーパーへ。
 先週行った時は店舗内へは入れなかったが、今日は入ることができた。ただ、入店規制が掛かっていて入るまでに20分ほど待たされたが。そうでもしないと混雑しすぎてレジなども対応しきれないのだろう。仕方が無い。
 店内は、天井のあちらこちらが剥がれたり壁が崩れたりしていた。それでも営業しようとしてくれる精神は凄いと思う。
 トイレットペーパーなどの生活必需品は品切れ状態だったが、生鮮食品を少し買うことが出来た。
 猫のドライフードも買えたが、わたしが購入したもので普通の成人猫用のものは最後だった。高級なものかシニア用はまだ少し残っていたようだが。
 もう一軒、スーパーへ立ち寄った。
 そちらも入店規制が掛かっていて、入るまでに少し時間が掛かる。
 今日は、ベーカリーコーナーで焼きたての食パンを買うことが出来た。ちょうど焼き上がる時間だったらしい。何とも幸せな匂いだ。

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 今日は瓦の片付けと、半端になっていたシートの張り直しをすることになった。
 ぼろぼろになってしまった屋根の上に登る。
 怪我の状態が良くなってきた父も一緒に作業をしたが、いつまた落ちるのではと冷や冷やものだった。結局、落ちはしなかったので良かったが。
 それにしても天気が良く、日光浴日和だった。
 屋根の上に寝転がってみると、そのまま眠ってしまいそうなほどに気持ちが良い。
 午前中は殆ど屋根の上の片付けと補修に費やした。

 昼食後、ドラマが放送されていた。母の大好きな科〇研の女。
 震災後にそれ関連の報道番組以外のものが放送されているのは初めて見た。母が喜んで食い入るように見ていた。

 ドラマが終わる頃、母の友人が来た。
 頻繁に家に来ていた人だったが、被災後に会うのは初めてだ。
 レトルト食品を幾らか分けてくれた。ありがたい。
 こんな時に何だが……飲み屋をやっているのに料理が壊滅的に不味いという天然記念物的な人なので、手料理とかでなくて良かったと思う。本当に。

 午後からは、部屋の片付けの続きをした。
 家具の配置をあらかた終え、ようやく脳内の欲望を激しく投影した空間を、わたしは作り上げたのだ。
 ロフトベッドとこたつが融合した夢の空間をっ!!
 例え何かの拍子に眠くなっても、オンラインゲーム中に寝てしまっても、わたしはきちんとベッドで寝ていることになるのだ。
 これで誰にも文句は言わせない。ふふふ……

 夜、わたしの地区は水道管ばかりでなく下水管も酷くやられているので、水の復旧には時間がかかるという話を聞いた。
 井戸水とて無限ではないので不安が降りたが、悲観しても仕方が無い。
 また、その水不足の影響と機材がやられていることから、今年は田んぼが作れないかもしれない、という話もあった。
 わたしの実家は農家で主に果樹を栽培しているが、食べる分と少し売る分の米も作っている。
 作れなくなったからと言って潰れそうな農協から援助があるとも思えない。
 農家に死ねということか、という母の発言が心に残った。

 寝る前、顔を中心に肌がぴりぴりと痛んだ。
 屋根の片付けのため長時間日光に当たったせいだ。そういえば紫外線に弱いことを失念していた。
 それにしても、まだ片付けが済んだとは言えないけれど、久し振りに過ごす自分の部屋は本当に落ち着く。
 ここも日常が戻ったとは言えないけれど、避難を余儀なくされている人にも早く以前の生活が戻るよう、祈る。

 早朝、コンビニへ行くことにする。
 近くなので、歩いていくことにした。気持ちの良い冷気が寝起きの肌に染みる。
 いつも通っていた道路は書いたとおり地割れし陥没していたが、歩きの人々は割と潜入禁止を無視して通行していた。わたしも無視してその場所を通る。
 コンビニへ着くが、面白いほどに食品類の棚は閑散としていた。
 顔なじみの店主の奥さんが、何もないでしょ、と、悲しげな顔で言う。
 幸い冷凍食品はあったので、ひとり2点までだが購入しておいた。お菓子も殆ど無かったが、あったものを、妹の分も含めて少しだけ買う。

 帰宅後は、ようやく綺麗になってきた井戸水で洗濯をし、部屋の掃除に取り掛かった。
 床を埋め尽くしていた物をとりあえず片付け、ひと段落させる。

 その後、開いているという話のスーパーへ出かけた。
 駐車場なども所々が割れていて危険なところもあったが、平日の昼間でも買い物客で賑わっている。ひとり20点までという制限付きで、買い物をすることが出来た。
 豆腐が欲しかったが、普段は絶対に買わないような高級品くらいしか置いていない。
 猫のドライフードもできれば買いたかったが、ドライフードは高級なものが僅かに残っているだけだったので、缶詰の方にした。
 ベーカリーコーナーの前には焼き上がり待ちの人が並んでいる。
 生鮮食品は売っていない。
 品ぞろえは悪いが、買い物が出来るだけましだ。

 帰宅した頃、会社から電話が掛かってきた。
 わたしの担当している取引相手が明日から創業するので、明日出勤してくれとのお達し。
 仕方がない、と、思うしかない。

 今日も乗り合わせ出勤だが、ガソリンも不足しているというのに毎朝迎えにきて貰うというのも何とも気が引けるものだ。
 それに、父が怪我をしたせいで家の方の仕事を一人でやらなければならない母が気がかりでもある。妹が春休みで家に居るので、大丈夫だとは思うが……

 相変わらず連絡の取り合いや納期の調整などであっという間に時間は過ぎていった。
 未だに連絡の取れない取引先もある。無事で居てくれれば良いのだけれど。
 明日は、製造の機械を止めて一部職員以外は休みにするという。
 その後のことは連休明けに予定を立てるのだそうだ。

 今日、勤務中に近くのガソリンスタンドが開くという情報が入り、手の空いている者で燃料残の少ない職員の車のガソリンを入れに走るなどということがあった。が、行ってみると長蛇の列で、何時間か待って2000円までしか入れられなかったのだという。
 軽油のスタンドも開いたので配送の者達も入れに走ったそうだが、1台10lまでしか入れて貰えなかったそうだ。とてもではないが、足りもしない。
 それでも入れられただけましなのだろうけれど。
 スタンドが開いた時点で、燃料を確保できるようになる、営業継続できる、などという楽観的な意見を言う者も居たが、しばらくはこんな状態が続くのだろう。

 また、こんな話もあった。
 福島県、というだけで出荷規制が掛かるのだそうだ。
 要するに、材料等を仕入れたくても仕入れが出来ない。こちらへ来ることを拒否するドライバーも居るそうだ。
 それだけ、目に見えない放射性物質というものが恐ろしいのだろう。
 それも当然だとは思う。なにせ未曾有の災害なのだ。
 あらゆるものが未知数で、恐ろしい。

 こうなったら本当に独立国家フクシマを建国するしかないか……
 その暁には、まず手始めにあの顔のホクロを引きちぎってやる。誰のとは言わないが。
 ……まあ、冗談はさておき。

 わたしも明日は休めることになった。買い物や片付けなどを進めなければ。
 帰りがけ、本社からの支援物資を貰った。
 今日は水と納豆だった。

 今日も乗り合わせで出勤する。
 業務は、だいぶ混乱が落ちついてきたようには思うが、日増しに様々な物資の不足が目立ってきた。
 材料もそうだが、製造の機械を動かすにはまず重油と水が要る。
 配達をするにもトラック用の軽油が要る。
 断水が続くうえ燃料関係も入手困難。近々創業できなくなることは明らかだ。
 製造は、回数を制限しながら行う調整をすることになった。
 配達もなるべく同じ方面をまとめて、回数も少なく行うように。それでも、今週いっぱい分くらいしか軽油が持たないとの見通しだった。

 帰宅時、本社から届けられたという物資が社員へ配布される。
 パンが1個ずつ。
 とてもありがたかった。

 帰宅すると、母が神妙な顔で言った。
 父が、屋根から落ちたと。
 今日は酷い風と共に雪が吹きつけていた。風によってずれてしまった屋根のシートを直そうとしたところ、風に煽られたのだという。
 驚いたが、右半身の打撲や少しの傷だけで済んだようなので安心した。
 落ちた後に自分で病院へ行ったくらいだという。何とも頑丈な人だ。
 ……それにしても。
 笑いごとではないのだが、頭をすっぽりと覆うネットをかぶっている姿が何とも面白すぎる。
 いや本当に、笑いごとではないのだが……

 今日は、延期になっていた妹の高校受験の合格発表の日でもあった。本当は14日に行う予定だったのだ。
 父は(屋根から)落ちたが、妹は合格したとのこと。
 これで心配ごとがひとつだけ減った。
 合格祝いにめがねを買ってあげる約束をしていたので、落ち着いたら買いにいかなくては。

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